人間関係と労働環境で悩み、1年で転職。人が温かく、自分らしく働ける場所で保育の楽しさを取り戻す
「以前は、日曜の夜になると『仕事に行きたくない』と憂鬱でした。でも今は、園に来ることがとても楽しいんです」。そう晴れやかな笑顔で語る木津朱乃さん。新卒で入った園を1年で退職するという大きな決断を経て、たどり着いたのが、はな保育が指定管理者を務める「大阪市立北津守保育所」でした。転職によって取り戻した「保育の楽しさ」の源泉を、まっすぐな言葉で語ってくれました。
最終更新日:2025.11.06
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木津朱乃(きづじゅの)
短大卒業後、別の保育園に就職するも、人間関係や過酷な労働環境から1年で退職。転職活動を通してはな保育と出会い、大阪市立北津守保育所に再就職。「保育者も保護者も良い人ばかり」という温かい環境の中で、子ども一人ひとりと向き合う保育を実践している。
目次
休憩なし、持ち帰りは当たり前。人間関係に悩み続けた1年目

――最初の園を1年で退職したとのことですが、どのような理由があったのですか?
一番大きな理由は、保育者同士の人間関係でした。長年勤めているベテランの先生方が中心で、私と年の近い先輩もおらず、すでに固まっている輪の中になかなか入っていくことができなくて…。子どもたちのことは本当に大好きで可愛くて、だからこそすごく悩みましたが、精神的に耐えきれなくなってしまいました。
それに加えて、労働環境もかなり過酷でした。休憩時間は全くなく、新人である私は常に子どもたちの前に立ち続けるのが日常。9〜10時間働き詰めで、息をつく暇もありませんでした。ピアノが苦手だと伝えていたのに、音楽発表会の担当を任されてしまったこともありました。毎日のように持ち帰りの仕事があり、休日も制作物に追われ、心身ともに休まる時間がありませんでした。「このままでは、子どもたちの前で心からの笑顔でいられない」と感じ、転職を決意したんです。
次は、人間関係が良く、風通しの良い職場で働きたいと強く思いました。年齢の近い保育者がいて、日々の些細なことも気軽に相談し合えるような関係性が理想でした。そして、お休みがきちんと取れて、持ち帰り仕事がないこと。苦手なことを無理強いされない、一人ひとりの得意不得意を尊重してくれる環境であることも、私にとっては大きなポイントでした。この1年の経験があったからこそ、自分が本当に望む働き方がはっきりと見えたんだと思います。
決め手は「保育者の笑顔」。新しい環境への不安を払拭した、園の温かさ

――転職活動で、北津守保育所を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
ホームページで、はな保育が「ピアノなし」「行事や制作に追われない」という方針を掲げているのを知り、まさに私が求めていた環境だ!と興味を持ったのがきっかけです。
初めての見学前は「どんな雰囲気の園なんだろう」と少し緊張していました。でも、ドアを開けた瞬間に、その緊張は一気に吹き飛んだんです。先生方が笑顔で明るく迎えてくれて、保育者同士がイキイキと楽しそうに話し合いながら子どもたちに向き合っている姿がとても自然で…。「すごく雰囲気が良い園なんだ!」とすぐに分かりました。この温かい空気感こそが、私が入社を決めた一番の理由です。

――「保育者も保護者も良い人ばかり」だとか。特に、保護者の方々との関係はいかがですか?
保護者の方々も本当に協力的で温かい方ばかりなんです。この地域はベトナムや中国など、外国にルーツを持つご家庭も多いのですが、皆さんとても熱心で、「日本で子育てをしたい。文化に慣れたい」という思いで積極的に園に関わってくださいます。
日本語でのコミュニケーションが難しい時は、翻訳アプリを使ったり、時には日本語が堪能な保護者の方が間に入って通訳を手伝ってくれたりすることもあります。「家でも先生の話をよくしてるんです」「いつも本当にありがとう」といった言葉をかけていただくことも多く、その度に「この園で、この場所で働けてよかったな」と心から感じます。
「保育」に集中できる毎日。仕事が断然楽しくなった

――以前と比べて、働き方や保育の内容で一番「違う」と感じるのはどんな点ですか?
一番は「保育の本質に集中できる時間と心の余裕が生まれた」ことだと思います。以前は、毎月決まった制作物や大きな行事の準備に追われるのが当たり前でした。でも、はな保育では、子どもたちの「今」の興味を一番に考えます。
最近、クラスでは男女問わず「車遊び」が大人気なので、「運動会は働く車をテーマにしよう!」と決めたら子どもたちは大喜び!楽しく取り組んでいます。子どもたちの「好き」から活動が生まれるので、私たち保育者も一緒に心から楽しむことができるんです。
働き方の面では、休憩をしっかり1時間取れること、そして先生同士が自然に助け合う文化があることに感動しました。自分のクラスの事務作業が終わっていなければ、他のクラスの先生が「代わるよ」とヘルプに入ってくれる。小規模な園だからこそ、クラスの垣根を越えて、みんなで園全体の子どもたちを見守っているという一体感があります。仕事終わりにみんなでご飯に行くくらい、年齢関係なく仲が良いんですよ。

――今後の目標と、転職を考えている方へのメッセージをお願いします。
今後の目標は、子どもからはもちろん、保護者の方からも「この先生なら安心」と心から信頼してもらえる保育者になることです。この温かい環境でなら、きっと実現できると信じています。
もし、かつての私のように人間関係や働き方に悩み、「保育の仕事、もう辞めようかな…」と思っている方がいたら、ぜひ一度、見学に来てほしいです。ホームページだけでは伝わらない、人の温かさや穏やかな空気がここにはあります。「正直、この先生は苦手…」という人が一人もいないなんて、すごくないですか。「仕事が断然楽しくなった」と心から言える、そんな毎日がきっと待っています。
まとめ
木津さんが1年目の職場で感じた「人間関係の悩み」や「過酷な労働環境」は、多くの保育者が抱えるリアルな課題かもしれません。そんな木津さんが北津守保育所で見つけたのは、職員同士が心から信頼し合い、保護者と共に子どもの成長を見守る、温かな場所でした。保育の本質に集中できる働きやすい環境と、温かいコミュニティーは、はな保育の、そして北津守保育所の大きな魅力と言えるでしょう。




